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現在行っている主な研究です。

日本建築史学 に関する研究​
​民家建築(農家・町家・武家住宅)

長野県は民家の坩堝です。さまざまな形式の民家が、地域性豊かに、美しい風景と一体となりながら現存しています。農山村の住まい(農家)や町場の住まい(町家)、城下町の住まい(武家住宅)といった土地に紐づけられたバリエーションのなかで、人々の暮らしを支え、時代にあわせて変化してきた生きた建築、それが民家です。民家の形式やそれがつくられてきた歴史を紐解き、その地域ならではの住まいにまつわる建築の文化(地域性)を解明します。

社寺建築

善光寺や諏訪大社に代表される長野県の信仰の対象。こうした有力な社寺から、地域のお寺(寺院)やお宮(神社)まで、信仰の対象はさまざまですが、その空間を構成する宗教的な建築は、その時代時代の最先端の技術を用いてつくられてきました。建築技術の発展は、社寺建築の作事とともにあったともいえるでしょう。社寺建築の意匠や形式、構法はもちろん、これらの作事に関わった大工をはじめとする職人の仕事の把握を通じて、地域における建築文化の技術基盤の形成と発展の過程を解き明かします。

近代建築

江戸時代から明治時代へ。日本の近代化は、江戸時代までに育まれてきた文化を基盤としながら、新たに西洋の文化を積極的に摂取し、新たな建築を生み出しました。擬洋風建築はその象徴的な存在です。その代表例である国宝の旧開智学校校舎をはじめ、長野県にも数多くの擬洋風建築が建てられました。こうした擬洋風建築に重点をおきながら、意匠や構法、そしてこれを手がけた大工の仕事に着目し、近代建築の誕生と発展の過程を解き明かし、新たな建築が生み出されるその源泉に迫ります。

​近現代建造物

戦後の日本を形作った建築たち。近現代建造物と呼ばれるこの建築たちは、比較的に新しい時代の建築ですので、文化財的な価値が見出されることなく、安易に失われてしまう事態が頻発しています。こうした現状から、近年、近現代建造物緊急重点調査(文化庁)が進められ、日本に、そして地域に固有な建築文化としてこれを捉える動きが加速しています。令和4・5年度に長野県でも近現代建造物緊急重点調査が行われ、これをきっかけに研究を開始しました。

​山岳建築 に関する研究

国土の7割を山地が占める日本。山は人の生業の場として、そして信仰の場として、私たちの生活に密接に関わってきました。里と比べて厳しい自然環境に立地する山の建築は、どのように建てられ、どのように維持されてきたのか。そもそも、里の建築と山の建築は同じなのか、違うのか。日本の山の建築と世界の山の建築は同じなのか、違うのか。こうした疑問を出発点とし、日本の屋根「日本アルプス」を擁する長野の地で、山のなかで育まれてきた建築の文化─山岳建築─の歴史的分脈を解き明かします。

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