小菅 石積みワークショップに参加しました
6月9日(土) 本日は、国の重要文化的景観(平成30年2月13日現在 全国で61件 うち長野県は2件)に選定されている、飯山市の小菅という山あいの集落において、石積みのワークショップに参加しました。
小菅は、古くから戸隠・飯綱と並び北信濃の三代修験場の一つとされ、水を御神体とする小菅神社の参道沿いには、今なおその集落の息吹が残されています。本研究室でも、度々、研究のフィールドとしてお世話になってきた場所でもあります。
今回は、建設業・造園業の方々を招いて勉強し、小菅の集落の人々自身で文化的景観の重要な一部を担っている石積みの維持をしていくことを目的としたワークショップであります。
このような貴重な機会は、なかなか巡り会えないということで、本研究室に参加の呼びかけをいただき、3名の学生が参加させていただきました。
まず取り掛かったのは、この石積み
石積みが曲がる部分の一番下の石(根石)がやや飛び出ています
造園家の方のレクチャーがあり、いよいよ石積みを取り外していきます。
この規模のものであると、手で取り外していくことができます。石は縦長のものが積まれており、その裏手に割ぐり石という、水の通過層があります。
飛び出していた根石は予想以上に根が深かったため、チェーンブロックという工具を使って引き抜きました。
下の写真は、引き抜いた根石をどのように設置するかを検討している様子。この根石の位置がその上の石の積みやすさと、石積みの崩れにくさを左右するため、とても重要な工程です。
根石が固定されると、取り外しておいた石を形や角度を調整しながら人力で積んでいきます。
途中、他の場所の石積みを直していた人たちと、積んでいく石の取り合い?になるなど、平成の村方騒動として小菅の歴史に新たな1ページが書き加えられそうになるなど楽しみながら、熱中して、住民の人も僕らも石を積んでいきました。
一番上は平らな石を積んで、裏に細かい石を詰めて、その上に土をかぶせて固めて、ついに完成!!!
before
after
なんということでしょう!飛び出していた根石がしっかりとおさまり、その上の石積みも整然と積まれているではありませんか!!(造園家の方が、お城の石積みの経験が豊富な方だったため、やや城の石垣風に)
その後、模型を用いた石積みの説明もしていただきました。
実際に挑戦! (この数分後に、崩壊していました 笑)
集落の気持ちのいい景色を楽しみながら、石積みを作るという滅多にない貴重な経験をさせていただきました。
本日はありがとうございました。
文:宮城